TNDaddyの徒然ギターブログ

ギターにつぎ込んだ金額はいざ知れず、いまだにその額は増える一方です

早くも3本目のスタジオエリート

最初に購入したアッシュボディが予想を超えて良かったため、機材整理のタイミングと合致したこともあってすぐにスタジオエリートHDを購入しました。

 

タイラーの代名詞ともいえるマムヨビディ、ピックガード仕様、メイプル指板という組み合わせです。

 

ただ、購入前に聞いていた楽器店の説明と相違点などがあったため残念ながら返品・返金。

 

せっかく2本目のタイラーをと思って捻出したお金だったので、返金分をそのまま利用して今回通算3本目となるスタジオエリートHD(SEHD)を購入しました。

 

エボニー指板、マムヨボディ-5Aキルトメイプルトップ、リアルート仕様です。

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ジムバーストで彩られていることもあって「綺麗」を通り越して「毒々しい」と感じるくらい迫力のある見た目をした1本です。

 

楽器店のセッティングはメーカー出荷時からいじっていないとのとですが、バズが出ないように気持ち高めの弦高なのでまずはそこから手を加えます。

 

ついでに指板の保湿をしつつ弦をエリクサーに交換して、2~30分程度でセッティング完了。

 

先代のマムヨは総じていい音だったけどアッシュと比べると音が軽く散りやすいという印象があったので、今回はどうかなと少し気にはなっていたところでした。楽器店にアッシュのタイラーがなく比較ができなかったので。。。

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そんなところを気にしつつレビューしていきましょう。

 

まず特筆すべきは鳴り。

 

マムヨは柔らかい材ですし元々よく響くのは先代マムヨで知っていたのですが、今回のはネックから何からバランス良く鳴っているのがわかります。

 

激鳴り過ぎるとサスティンも奪われるし音の纏まりが悪くなったりするんですが、しっかり制動された中で良く響いているという感じです。

 

アンプで鳴らす前にP.Uのおさらいをしておきましょう。

 

~シングルコイル~

JTS5500(タイラーオリジナル)

SSH専用で設計されているP.Uで、しっかりとしたローエンドやギラっとしたハイミッドがありハムバッカーとのレベル差を取りやすい。

 

~ハムバッカー~

Super(タイラーオリジナル)

ラインナップの中で出力の最も高いP.U。

ハイゲインはもちろんローゲインでも腰砕けにならず、ボディ材の音をしっかりと反映させる。味付けは少なくレスポンスや表現力の非常に高いハムバッカー。

コイルタップやスプリットさせても音が細くなり過ぎない。

 

さてここから少しずつ感想を書いていきますね。

 

~ファーストインプレッション~

実際アンプで鳴らして思ったのは「アコースティックっぽいな」。

 

アッシュボディはピッキングした瞬間からガツンと音が塊のように出てくる感じなのに対し、マムヨは大げさに言えばアコギの胴鳴りのようなグワンとした音。

 

音と音の間に隙間がはっきりとあるので歪ませてのアルペジオでも濁らず、単音はもちろん和音の表現が群を抜いて優秀です。

 

~病みつきになるミッドレンジ~

音自体のレンジは広めでプレゼンスやレゾナンスと言われる超高音・超低音域は少なめ。

ギターにとって美味しいといわれる周波数域はしっかりとカバーしている印象です。

しっかりとミドルが出ているけど、邪魔にならずヌケもいい。

他の木材よりもミドルのピークが尖らず裾野の広い緩やな持ち上がりをしているように聞こえるのがマムヨの独特な音なんでしょう。

さすがMamywo(Malaysian Mysterious Wood)

 

~高いプレイアビリティ~

好みのセッティング上ペタペタにはしていませんが、かなり低い弦高にしても全ポジションでバズもなく弾けています。

狂いにくい柾目のメイプルネックという木材の選定もそうですが、それらを飛鳥工場で日本の気候に合わせたシーズニングを行っていることも大きいでしょう。

指板サイドのスキャロップ加工も指の当たりを軽減し、Extra Thin59も薄すぎず広すぎずで日本人の手に合う丁度よさがあります。

 

サウンド

タイラーのP.Uは総じて高音がよく出る印象で、よく鳴る(丸くなりやすい)マムヨに合わせた時に音抜けが悪くならないようにという方向付けもあるのでしょう。

太く芳醇ながらもダイレクトマウントによるタイトなトーンという相反するものを上手くバランスとって高いレベルに昇華していると思います。

ハーフトーンのタイラーらしさなどはもちろん、ジャズでもハードロックでも対応できる懐の広さを感じます。

 

~Mid-Boost~

Onにするだけで少し音圧が上がり、ミドルがピーク緩やかに持ち上がります。レベルを上げると一緒にローミッドも膨らんでくるので、Tone的な使い方としてもありなのかなと。

FenderのクラプトンモデルのようなGainまで上がるようなブーストではなくあくまでEQブーストといった印象です。

太い音にはなりますが、高音域も丸くなるので私はあまり使っていません。

 

~滑らかなアーミング~

GotohのブリッジにHipShotのロックペグ、グラフテックのナットという組み合わせのためアーミングをしてもチューニングの狂いは最小限です。

ボディとブリッジが平行になるようなセッティングが普通だと思うのでアームアップはあまりできません。

 

~国産ギターとして~

国産臭さは、正直あります。

ありますが、思っていたよりはかなり薄い。

HeadwayとかSugiなんてザ日本人が作りました!て感じのギターの音しますよね笑

Japanのタイラーはそうではないです。

タイラーにおいてJapanはUSAより硬めの音という話はよく出ます。

ただ、私の意見としては硬いというよりは整っているという感じ。

国産だから違う、USAじゃないから悪いというのではなく、しっかりとJames Tylerさん本人が作るタイラーと共通する部分を持ちながら日本の気候の中で、日本の職人さんが作ったことできっちりさが加わったという表現がいいんじゃないでしょうか。

 

色んな点で非常に高得点をはじき出してくれて、ギアというよりも自分の出したい音を出すための相棒と言えるギターだと思います。